原業務店で施工可能な左官の仕上げについてご紹介します。
珪藻土
「珪藻土」は数百年前に海や湖に住む微細植物(珪藻)の化石からできた岩石が珪藻土です。
もともと、珪藻土は七輪や耐火レンガ等に利用され、近年、珪藻土に脱臭効果があることが分かり健康住宅の材料として活用されるようになりました。他にも保湿、調湿、耐火性、消臭性、吸水性等の優れた効果が知られてきています。
色々な効果には珪藻土の単粒子(一粒一粒)に無数の細孔(穴)があることが関係してきます。その穴は湿度の高い雨の日は室内の余分な湿気を吸収し、乾燥した日は吸収していた水分を放出し湿度を調湿してくれます。 匂いの成分も吸着し、お部屋の中の生活臭や医療関係のアルコール臭、消毒薬の臭いも吸ってくれます。 吸着した匂い成分は非常にゆっくりとしたスピードで放出されるため匂い戻りを感じることはありません。 耐火性は耐火レンガにも使われるほど燃えにくい性質のため、燃え移り、燃え広がりが起こりにくい建材です。 他にも脱衣場やキッチン用品の[珪藻土マット」は珪藻土の吸水性を活かした商品です。
珪藻土の吸水性は直接的な汚れ(キッチンの油汚れ・たばこのヤニ)等も吸ってしまうため、飛んでくる場所はタイル張りや他の素材を組み合わてお使いいただくこともお勧めです。 軽い表面的な汚れ(鉛筆や、物の擦れ)等はサンディングペーパーで削り落とせば消せるものもあります。
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シラス壁(白州・白洲)
シラス壁のシラスとは火山噴出物が堆積した地層からとれる素材です。
ローマ時代につくられたパンテオン神殿や古代エジプトのピラミッドにも古代コンクリートの原料として同じように火山噴出物が使用されるなど、耐久性が高く内壁・外壁両方に施工が可能な素材です。また火山から噴出した素材なので断熱性・保温性・耐火性にも優れています。
シラスの多孔質の粒子は表面積が大きく粒子の中に空気を吸収するため消臭効果・調湿機能が高くシックハウス対応建材としてもお使いいただけます。 カラーバリエーションも豊富で、もともとのシラスが白色のため発色が良いラインナップです。
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聚楽壁
京都西陣にある聚楽第跡地付近で産出された「聚楽土」を使った土壁が始まりで、キメの細かい上質の砂で仕上げを行う「聚楽壁」は高級だと言われ、様々な歴史的建造物の内壁・外壁にも使われています。
藁入りの「わら聚楽」などもあり和のイメージのある聚楽ですが近年ではカラーバリエーションが豊富になり、荒壁を使わない聚楽素材も開発されています。ビニールクロスの上から施工できる製品もあり、その際、下地壁には調湿性・防臭性のある材料を使うなど使い方、選び方によって取り入れやすくなっています。
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漆喰壁
消石灰 (水酸化カルシウム)を海藻やすさ、骨材などを加えて、水で練ったものです。「白鷺城(しろさぎじょう)」とも呼ばれる兵庫県の姫路城の外壁も漆喰が使われています。その白さが漆喰の特徴です。 漆喰には「本漆喰」「土佐漆喰」「既調合漆喰」「西洋漆喰」「黄大津漆喰」などの種類があります。
「本漆喰」に使用される原材料は「消石灰・麻すさ・海藻を炊いて抽出したのり」の3つだけで、これらを混ぜて作られます。
「土佐漆喰」は糊と強度に違いがあります。本漆喰では海藻を原料としますが、土佐漆喰では藁を発酵して抽出した糖分が糊の役目をするので糊のように水分に影響を受けにくい雨に強い漆喰になります。壁の厚みも5~8mm程度で施工できるため強度もあり床としても使用できます。
「既調合漆喰」は材料が製造工場であらかじめ調合され現場では水を加えて練るだけになっていているため、漆喰が安定しているというメリットがあります。 施工前の仕込む部分が省けるため費用が比較的安価に抑えることができ、撥水材やカラー材も販売されている物もあるので希望を叶えやすい漆喰ともいえます。
「西洋漆喰」とは大きく分けると日本以外の漆喰です。世界にも様々な漆喰文化があり、イタリアやフランス・プロバンス、エーゲ海周辺などの「海沿いに広がる白い家々」の風景も漆喰建築が多く日本と同じように風土に合わせて発展した漆喰文化の一つです。ただ、日本の風土とは異なる漆喰文化なので日本で「西洋漆喰」を使う場合は風土に合っているかもポイントになります。
「黄大津漆喰」は「漆喰」と入っていますが、色土、消石灰や貝灰(赤貝・はまぐり・牡蠣殻)を混合し、麻すさや紙すさを加え水で練ったものを仕上げに使用し、また糊を使用しないため「石灰の水捏ね物」とも言われます。粘土分の多い物が良いとされ、淡路土や京都の黄土、岐阜の白土などが使われ関西では黄色い壁の土蔵や民家を見ることが出来たそうです。
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漆喰磨き壁 「本磨き」 「黒磨き」 「大津磨き」
漆喰磨きには「本磨き」「黒磨き」「大津磨き」等、色や工法の違う様々な種類があります。鏝で丹念に磨き上げる事で艶が出て美しく光り人も映るほどです。強度と防水性に優れた壁面となります。
凹凸やムラが目立ちやすいため職人の究極の技術を必要とする最高級の仕上げの一つが「漆喰磨き」です。 弊社では「色粉」を使い、職人がお客様のご希望の色をお作りすることもでき、柄を職人が鏝を使って描く事が出来ます。ツヤツヤの表面に浮き出る柄は大理石のようにも波間のようにも見え、品と高級感を醸し出します。
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モルタル 塗り仕上げ
モルタル壁の「モルタル」とはセメント、砂、水を練り混ぜて作った建築材料です。
壁や土間、玄関などを塗る場合にはコンクリートよりも滑らかなモルタルを使います。 モルタルは不燃性のため、炎や高熱にさらされてもすぐに燃えることも有毒ガスを発生することもありません。防音性もあり内壁、外壁どちらにも使える素材です。
左官職人がコテや刷毛などを使い手作業で塗材を壁に塗るため、滑らかな平面、柔らかい印象の流線的な模様やシャープな直線的模様、コテの後を残すことも、好みの色や防水性のある塗料を塗ることもでき、自由度の高い塗り壁です。
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タイル壁
タイルは色や柄、素材も種類が多く、組み合わせのパターンを考えると見た目だけでも数えきれない程の選択肢の多さです。水回りに用いられることが多いタイルは耐水性に優れているので、洗面所や浴室などの壁材としては最適な素材です。
元々素材を高温で焼き固めて作られるタイルは火が燃えうつる心配もなく、油が飛び散っても拭き取ることができ、材質も自然素材のような調湿機能や消臭効果など機能的なバリエーションも増えています。タイルの目地(継ぎ目)に防水性の物もあり用途に合わせて使い分けることが出来ます。 外壁タイルは土や石などの自然素材を1300度という高温で焼き固めて作るため汚れやキズに強く、強い日差しや風雨、雪などの気象の変化にも強いため、色あせしたり変色するといった経年劣化が少ない外壁材です。
床タイルも色や柄、素材の種類が多く、光沢感やタイルの大きさ、形など以外にも、滑りにくさ汚れ落ちなど壁とは違う機能面も大切になってきます。 初期費用は塗り壁より高い場合もありますが、タイルはメンテナンス費用を抑えることが出来るので、長期的な視点で検討できる素材です。
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石張り
「石張り」とは天然石を張る施工方法です。 門壁や玄関までのアプローチなど見かけることがあると思います。
石張りは石をスライスし天然のまま使用するため耐火性、耐熱性、強度と耐久性も高く、時間の経過による劣化も非常に遅い素材です。見た目にも素材そのものの高級感、美しさが長く楽しめ内壁・外壁・床にもお使いいただける素材です。 種類も多いため、使用する場所や求める機能に合わせて石の組み合わせ、表面の仕上げなど選べます。
石張りの工法には四角い物を規則的に並べる工法、様々な形を並べる乱切り工法とあり、同じ形がない石をカットし大小バランス良く並べるには職人の経験、隙間の取り方には技も大切になります。
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・㈱美濃陶石
洗い出し
洗い出しはセメント塗りの表面に石や玉砂利を入れた層を作り、表面が完全に固まる直前に表面のセメントを薄く洗い流し、石や玉砂利の層を模様として浮き上がらせる施工です。
模様となる石は色や大きさなど種類が多く、好みの見た目と用途から適材を選んで組み合わせることが出来ます。 コンクリートの洗い出しもあり、コンクリートに使われる粗い砂利が「洗い出し」の施工で表面に出てきます。均一ではない砂利は荒々しい印象ですがコンクリートをそのまま加工しているのでシンプルでカッコいい仕上がりになります。
機能性も滑り止めの効果があり駐車場や駐輪場、階段などにもお勧めです。
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三和土
三和土(たたき)とは、土に石灰と苦汁などを混ぜ合わせ、叩き固めて仕上げることから「三和土(たたき)」という名が付けられました。
柔らかな土の印象と、屋内の湿度や温度を安定させる効果もあります。 昔から日本の家屋にあった土間(土の間)の表面の仕上げ材として使われ、今でも職人が手仕事で叩き固めます。硬すぎても割れてしまい、柔らかすぎれば強度が出ない。良い「三和土」は職人の技で完成されます。
現在ではコンクリートやタイルで仕上げられている土間のことも三和土と呼ばれることがあります。 三和土に似せた三和土風の仕上材も近年ではメーカーより販売されています⇒左記より